寸法:82.2cm × 60cm
所蔵:ナショナル・ギャラリー、ロンドン
素材:オークのパネルに油彩
鏡を使った独創的な構図
精緻な油絵の嚆矢として、極めて重要視されている作品。作品にこめられた寓意性、独特の幾何学的直交遠近法、背面の壁にかけられた鏡に映し出される反転した情景は、独創的で複雑な構成を持っている。
凸面鏡に映る室内
凸面鏡にはアルノルフィーニ夫妻像と対峙して、ドアのすぐ近くにいる二人の男性が映し出されている。手前の赤い服の男性はファン・エイク自身だと考えられている。
油彩技術の改良で衣装の手触りさえも再現
結婚の立会いの証拠
ラテン語で「ヤン・ファン・エイク」ここにあり、と記されている。
重ねられた夫妻の手
重ねられた夫妻の手が何を意味しているのかも、研究者の間で議論となっており、この手こそが作品の主題であると指摘している研究者も多い。パノフスキーはこのポーズが婚姻の宣誓であると解釈し、この夫妻が「婚姻の宣誓をすることによって、婚姻契約を行っている」ところを描いているとしている。